糖尿病の初期には、自覚症状はほとんどでません。では、どんな時に糖尿病に気付くでしょう。
①症状が何もない場合
・定期健康診断や人間ドックをうけた時。
・なにかの病気にかかり、検査をうけた時。
②合併症がある場合
・尿や眼底検査を受けた時。
③自覚症状がある場合
・喉の渇き(口渇)
・食習慣や運動習慣が以前と同じなのに、体重が減った。
下記①~④のいずれかの結果がみられた場合に「糖尿病型」と診断します。
① | 早朝空腹時血糖値 | 126 mg/dl以上 |
② | 経口ブドウ糖負荷試験 2時間値 | 200 mg/dl以上 |
③ | 随時血糖値 | 200 mg/dl以上 |
④ | HbA1c(ヘモグロビンA1c) | 6.5 %以上 NGSP 6.1 %以上 JDS |
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)検査
検査当日から1~2ヶ月前までさかのぼり、血糖値の状態を調べる検査です。血液を用いて1ヶ月に1回測定します。
血糖値の高さに比例してヘモグロビンに結合するブドウ糖の割合が増えます。採血時の血糖が正常でもHbA1cが高いと、それ以外の時間帯に高血糖があったことがわかります。
空腹時血糖
空腹時の血液中のブドウ糖の量を調べ、インスリンの働き・状態をチェックします。
体の細胞はぶどう糖をエネルギー源とし、これを取り込むためにインスリンというホルモンが働いています。通常は血液中の血糖濃度が高まると膵臓からインスリンが分泌されるのですが、
糖尿病になるとインスリンが不足したり、うまく機能しなくなったりして血糖値が高くなってしまいます。空腹時血糖は、空腹時の血液中に含まれるブドウ糖の量を調べるもので、
一般的に朝食前の空腹時に検査します。空腹時血糖が110~125mg/dlの場合は糖尿病の疑いが強いと診断され、経口ブドウ糖負荷試験を行いさらに詳しく調べます。
経口ブドウ糖負荷試験
75gのブドウ糖を含む液体を飲み、一定時間後の血糖値を測定し糖尿病であるのかどうかの診断をうけている検査です。
同時に血中のインスリン濃度を測定し膵臓のインスリン分泌能力を知ることができます。
①前夜9時以降は絶食し空腹時の採血をします。
②ブドウ糖75g溶解液を飲みます。
③飲み終わってから30・60・120分に採血し血糖を測定します。
食事負荷試験
食後の血糖を認識するための検査です。
①空腹で来院し採血します。
②持参いただいた食事、またはクリニックで用意したカロリー調整食を食べます。
③食べ終わってから30.・60・120分に採血し血糖を測定します。
尿糖検査
尿に糖が出ているかを調べる検査です。常に尿糖が出ていないのが正常です。尿糖が陽性になった場合は血糖値を確認する必要があります。
尿中微量アルブミン
早期の腎症を診断するための検査で尿中のアルブミン(たんぱく質の一種)濃度を測定します。
眼底検査
糖尿病性網膜症の有無や程度をを調べるために行います。
大動脈脈波速度
胸・腹部の太い血管の血液が流れる速さを測定し、その速度によって血管の壁の硬さをみる検査です。
年齢とともに血管壁が硬くなり血液の流れる速さも速くなりますが、年齢不相応にこの脈波速度が速い場合には動脈硬化がすすんでいると考えられます。
頚部超音波検査
頚動脈の動脈硬化の程度を超音波でみる検査です。