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栃木県小山市の糖尿病専門クリニック

電話でのご予約・お問い合わせはTEL.0285-24-2200

〒323-0022 栃木県小山市駅東通り1-32-1

クリニカル・インディケーターclinical indicator

クリニカル・インディケーター

小山イーストクリニックでは、患者さんにとって「安心なクリニック」であることを目標としております。
その取り組みの一環として、この度クリニック機能の可視化に力を入れることとなりました。
具体的には、クリニカル・インディケーター(臨床指標)と呼ばれるものを作成し、ホームページにて公開することとなりました。 ご提示する項目は、今後も継続的に追加・更新をはかってゆきます。

クリニカル・インディケーターのご案内

クリニカル・インディケーターとは、日本語で「臨床指標」と表します。
病院の様々な機能や診療の実績などを数値で表し、評価・分析することにより、
医療の質の向上に役立てようとするものです。





2012年度、当院に糖尿病の治療で来院した方の半数は、健康診断などで糖尿病を指摘されたことをきっかけとしています。
それからも分かるように、糖尿病は自覚症状がないまま、自分の知らないうちに病気になり、進行してゆくものです。
毎年健康診断を受けておられない方は、自治体の健診などを上手に利用しながら、自分の健康状態を知るようにしましょう。

2013年度、当院に糖尿病の治療で来院した方の約60%は、なんらかの理由で他院からイーストクリニックに転院した方でした。他院からイーストクリニックに転院したきっかけは、 「転居」「知人に勧められて」「糖尿病専門医による治療を希望」が多く見られました。2012年度と比較して、他院からの転院の方が多くなったことにつきまして。 当院での治療を評価頂いていると受け止め、スタッフ一同、治療に対し より一層真摯に努力を続ける所存でございます。






「HbA1c」とは、ヘモグロビン・エー・ワン・シーの略で、自分自身の血糖状態を知る上で、非常に重要な数値となります。
ヘモグロビン(Hb)とは、血液の赤血球に含まれているタンパク質の一種で、酸素と結合して酸素を全身に送る役目を果たしています。
ヘモグロビン(Hb)は、血液中のブドウ糖と結合するという性質を持っています。そのブドウ糖と結合した物の一部分が、ヘモグロビンA1cと呼ばれています。
通常、赤血球の寿命は4ヶ月で、その間血管の中をグルグル周り、血液中の余分なブドウ糖と結合していきます。 血液の中に余分なブドウ糖があって、高血糖状態が長く続くとヘモグロビンとブドウ糖は、どんどん結合していきます。 つまり、血液検査の結果HbA1c値が高ければ高いほど、たくさんのブドウ糖が血液中にあってヘモグロビンと結合してしまった、という事になります。
正常な人であれば、HbA1c値は6.0%未満です。6.0%以上6.5%未満では糖尿病が否定できない状態となり、6.5%以上では糖尿病が強く疑われる状態であるとされています。
さらに、8.0%を超えた状態が長く続きますと、色々な合併症を起こすと言われていますので、多くの医療機関ではHbA1cを下げることを治療の目標の一つとしています。
このHbA1c値は、過去1ヶ月~2ヶ月の血糖状態を表すので、血糖値よりも正確な血糖状態を教えてくれます。

さて、糖尿病の治療目的で、当院に初めて来院された方のHbA1cを測ってみると、8.0%以上の「色々な合併症が起こる、危険な状態」であった方が半数近くにのぼります。
その理由として考えられるのは、「健診で糖尿病を指摘され続けていたが、忙しくて受診しなかった。しかし最近、自覚症状が出てきて怖くなり、来院した」
という方が多いことも、原因の一つに考えられます。
健診で糖尿病を指摘されていても、受診して「糖尿病」とハッキリ診断されるのが嫌で、なかなか治療に来なかった。という方もいらっしゃいます。
確かにご自身で病気を認めることは億劫であり、決して楽しいことではありません。
しかし、目を背け続けることにより、病気や合併症が進行してしまうほうが、危険です。
ご自身の身体を護るため、高血糖が分かった時点で、専門医のいる病院で指導や治療を受けることをお勧めします。




2012年度、当院に初めて受診した時に測定したHbA1cが10%以上だった方の、治療後1年間の動きになります。
前述のとおり、HbA1cが8.0以上で「色々な合併症の起こる、危険な状態」とされていますから、10%以上といえば、ひどい高血糖が続いていた状態で来院した方となります。
しかし、治療開始3ヶ月後には、HbA1cは7.8%と急激に下がっております。
来院して、適切な薬の処方や食事指導を受けることにより、たった3ヶ月でも、目覚しい改善が見られることが分かります。
その後は徐々に低下し、一年後には7.1%と、合併症予防のための目標値に限りなく近くなっています。
これからも分かるように、治療開始して劇的な改善があった後は、地道にその状態を護り続け、良い状態を保ち続けることに糖尿病治療の難しさがあります。
「下がった=治療終了」ではなく、「下がった=この状態を続ける」ことが、何よりも大切な糖尿病治療であることを理解し、治療に取り組んでいただきたいと願っております。

2013年度、当院に初めて受診した時に測定したHbA1cが10%以上だった方の、治療後1年間の動きになります。
2012年度と同じような動きをしておりますが、残念ながら12ヶ月後の値が8.1%に上がってしまいました。
この結果をふまえ、初診から1年後に治療の中だるみがこないよう、治療に対して気持ちを引き締めることができるような方法を考えて行きたいと思います。







2012年度、他院にて糖尿病治療を行なっていたが、なんらかの理由で当院に転院した方の、転院後のHbA1cの改善を表したグラフになります。
半年後には、7.0%の合併症予防のための目標値に近い数値になっています。
転院することにより気持ちを新たに治療に取り組んだこと、転院をきっかけに薬を見直したり、あらためて食事指導を受けたことが、治療に良い影響を与えているように見受けられます。
ただ、残念なことに一年後も通院している方が、最初の半数となっています。良い結果を持続させ、糖尿病を上手にコントロールするためにも、治療を中断せずに続けていただきたいと願っております。

2013年度、他院にて糖尿病治療を行なっていたが、なんらかの理由で当院に転院した方の、転院後のHbA1cの改善を表したグラフになります。
半年後には、7.0%の合併症予防のための目標値になりましたが、それで気が緩んでしまったのか、9ヵ月後、12ヶ月後はじわじわと上昇傾向がみられました。 しかしながら、通院を継続された方の割合をみると、70%以上の方が治療を中断することなく、クリニックに通ってくださいました。
これは、糖尿病治療にとって最も大切な「治療を続けること」が実践されていることを示しており、我々スタッフにとっても大変励みになる結果でした。







当院においてHbA1cを測定した方の平均値を表したグラフです。
傾向としては、2月が最も高い数値で、9月・10月が低くなっております。
HbA1cは測定した時点より1~2ヶ月前の血糖の状態を見る数値です。
よって2月が高い理由は、クリスマス、年末やお正月での食生活の乱れが数値に表れるのが2月だから、と考えられます。また、寒くなり自然に運動量が減ったことなども原因の一つとなるでしょう。
これは、当院に限ったことではなく、全国的にもこのような傾向が見られます。
また、余談ではありますが、家に柿の木をお持ちの方で、毎年、柿の食べすぎで11月頃のHbA1cが必ず高くなるという方もいらっしゃいます。
一年中気をつけなくてはいけないHbA1cですが、月の傾向を知ることで上手にコントロールできることもありますので、ご参考頂ければ幸いです。